【エルムステークス 2023 レース回顧・結果】不良の1分42秒台でも悪くなし

――今週の札幌ダはずっとそういう（首を傾げるほどの低速）状態で。

8/6 エルムS　▲不的中

①不良馬場で迎えるも、前日から終始時計を要す重馬場という感じが続き、ほぼ平均±0秒の状態

②前半900m通過54秒台と平均ペースで入り、1分42秒8の平均水準で決着

③12.2 - 12.2 - 11.9 - 12.2の平坦戦決着を、早め先頭のワールドタキオンが押し切りを図るところへ、抜けた上り最速で伸びたセキフウが差し切ってV

予想➡➡➡◎

結果➡➡➡4着

3着▲ロッシュローブよりも前々から、直線で一時は単独2番手まで躍り出たが、そこからは直線立ち上げでの接触の影響もあってか伸びあぐね、最後は外からきた▲ロッシュローブに交わされ4着。

1コーナー過ぎでポジションを挽回しようとした際に、掛かり気味だった分もあったか。

予想➡➡➡▲

結果➡➡➡3着

こちらは渋太く脚を伸ばしてなんとか交わしてのハナ差3着。

ブリンカー再装着でも、いつも以上に後方からになっていたように苦しい競馬だったとは思うが、そこはやはり馬場アドバンテージも発揮して10人気で気を吐いた。

1分43秒3では満足できる額面ではないが、今日は馬場も不良にしては異様に低速だった。

しかも、1700mの持ち時計1位だったこの馬は、もっと高速馬場のほうが良かったハズで、その点は記憶にとどめておきたいところ。

勝ったセキフウは、微妙なところだが馬場とペースからすれば決して恵まれたものではなく、よく差し切ってきた。

直線での伸びからしても、それだけ含水率の高いコンディションが合っていたのだろうが、4歳夏になって力をつけているのもたしか。

あとは、もう一度府中で重賞級と対戦して上位の脚を見せられればだが、それには今日のパフォーマンスではまだ少し足りないか。

一方、2着ワールドタキオンは、どちらかといえば恵まれているはずだが、それでも昇級初戦で好内容判定が可能。

再転入以降非常に充実しており、ここも崩れなかったことでますます（大舞台含む）の飛躍に期待、というのを表向きとしておく。

“裏”はやはり、この日の不良とは思えない時計の出にくさから、「渋った馬場が得意だからこそのいきなりの重賞連対」とみられた場合の、良馬場で狙うというもの。

1勝クラス、3勝クラスいずれも、やや速めの良馬場だったとはいえ、いずれも含水率的には低い馬場状態での圧勝であり、「実は（エルムSは）下げていた」を愉しむというのも一考中。

◯タイセイサムソン（9着）は、気性的なところがあるので3～4コーナーにかけて早めにハナを奪いにこられたところが全てだろう。

そもそも、やはり単勝5.3倍と直前にかけて妙味的なものはほぼ失われていた。

1人気ペプチドナイル（13着）は、今回は1人気が見え見えだったのでこの鞍上では仕方がない。

まず、馬は前走で見せた通り全く弱くないので問題なく、負けしか見えない戦いの中で2番手からの競馬すらさせてもらえず途方もなく下げたというだけ。

そんな中で、ペイシャエスにはあえて好評価を与えておきたい。

厳しい条件が重なったうえ、競馬も結果的に中途半端なものになったが、終いはそれでもキッチリ来ていたほう。

もともとここより上の舞台をピンポイントで狙っていく立場の馬だし、その意味で特に悲観する必要はないと思われる。