【東京スポーツ杯2歳ステークス 2025 レース回顧・結果】基礎能力よりもその他オプション機能

――鞍上含め、流れ的にもちょっと“違うところ”で決まった今年の東スポ杯では？という見立て。

11/24 東スポ杯2歳S 2025　▲不的中

①Cコース替わり初週の芝は、レースの頃には通年平均比-1.5秒/1000m ゾーンの内有利状態にどんどん高速化していった様子（当日朝時点クッション値9.2／含水率G前14.7%4角13.4%）

②前半1000m1分01秒0の、過去10年で2番目に遅いペースから11.5-11.0-11.2-11.3で上がっての1分46秒0決着

③どスローからの4F勝負だけには違いないが、45.0秒は上々で、古馬2勝クラスくらいの評価は与えられる平均レベルの東スポ杯にはなった印象

予想➡➡➡◎

結果➡➡➡2着

上り最速をマークして、やはり1800mで良さが出たが、内を勝ち馬にすくわれアタマ差惜敗。

鞍上は、抜け出してフワッとしてしまったと語ったが、それよりも単純に府中の直線勝負での鞍上手腕差だろう。

一目瞭然、仕掛けのタイミングが勝ち馬パントルナイーフとは好対照で、あちらが待って直線半ば手前からフルスロットルに入ったのに対し、こちらは直線入り口から追い通し。

なんならこちらに鞭が入ったタイミングでも、まだ相手にはGOサインが出されていなかったくらい。

そういう意味で、勝ち負けはひっくり返っていても不思議なかったとみられる。

距離はさらに延びても良さそうな伸び続け方を見せていたうえ、母系からも2000m以上への適性が見込まれるが、そこでもう少しスッと上がっていけるようにならないと、新潟か府中くらいでしかアタマは取れない感じになってしまうかも。

予想➡➡➡◯

結果➡➡➡9着

長い直線コースでの脚比べに課題がありそう。

勝ってもおかしくないスローの2番手で運び、また現状の脚力の位置づけ的にもそう大きく負けるようなところにいる馬でもない中で、直線で手応えをなくして1.1秒差惨敗。

鞍上の「フォームが変わっ（てしまっ）た」といった主旨の談話も気になるし、ひょっとしたら適性以外に、どこか痛いところがあるなど阻害要因も考えられる敗戦だったかもしれない。

いずれにしても、府中以外に出てきた際には引き続き気にかけておきたい存在。

今回も、陣営は「賞金を加算して次へ向かいたい」といった、超強気コメントを出していたくらいの馬でもある。

パントルナイーフ（1着）は、他にも乗ってきそうな馬がいる状況でルメール騎手を確保していたりと、人気当然の場面だった割に、案外舐められていた中での快勝。

やはり、指数やらから結構疑われていた印象で、勝つには勝ったが……という感じ。

実際、この状況で東スポ杯を勝った割に、鞍上談話も「いい未来があると思う。目標はG1。また強くなったら、トップレベルで走れる」といったものにとどまり、いかにも中途半端感の残るところ。

おそらく、G1をハッキリと意識させる馬というのは何かが違うのだろうが、現状のこの馬にはそれはないとみておく。もちろん、重賞級の活躍に期待、には違いないとは思うが。

ここを勝っても、これだけのスローの一戦だとまだこの鞍上以外だと重賞で自信は持てないところだし、ルメール騎手がずっと手放さないとも限らないのではないかといったところ。

他では、ラストスマイル（5着）だけは、このレース前後でいい意味での驚きがあったという内容。

特に、かわされてからのラスト200m以降のもうひと伸びは、上位勢とそん色ないものに映ったし、見た目通りもう少しゆったりと構えてからのスタミナ勝負に持ち込める2000m超で良さが出れば先々まで楽しみに。

もちろん、1800mでも自己条件は楽々通用するとは思うが。